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プロフィール

中森 陽介 Yosuke Nakamori 取締役 DX支援事業本部 事業本部長

1988年札幌生まれ
東京農業大学醸造学部卒業後、ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアをスタート。フリーエンジニアとして様々なベンチャー/スタートアップの初期プロダクトの開発を支援。2018年自身が役員を務める株式会社一燈がイグジットしたことにより、寶結株式会社の技術責任者に就任。COVID-19における北九州市保健所業務のDXを促進するD-chaserの開発をリードし、現在も社内外のAI関連プロダクトのリードエンジニアとして業務に従事。また後進育成のため社内外のエンジニアに対する技術勉強会などの運営にも携わる。


福岡 広兵 Kohei Fukuoka 取締役 イノベーション事業本部 事業本部長

1988年北九州市生まれ
2011年株式会社高田工業所入社、国内石油化学/半導体プラントの建設等に管理/営業として従事。その後、2017年に寶結株式会社入社、バックオフィスの統括業務に従事。2018年COMPASS小倉の立ち上げに参画。2020年以降はスタートアップ支援責任者として関与。DXベンチャーである寶結株式会社にて経験する財務・会計・人事・MA・内部統制等、コーポレートにおける知識やノウハウをスタートアップと共有することでサポートを行う。また北九州市立大学のアントレプレナー教育に外部講師として参画。


1. 事業内容について

「現在行っている事業について教えてください。」

中森:私たちのDX事業は、BOP(Business Operation Provider)を入口として、データサイエンティストによる分析、そしてDXソリューションの提供まで、トータルサポートを行っています。BOPのチームがお客様の業務に入り込んで、お客様と一緒に業務に取り組むことで改善点を見出していきます。そこで得られた情報をデータサイエンス部門で分析し、最適なDXソリューションを提案・開発していきます。

また、インフラ面でも、例えばネットワークが十分に整備されていない環境であれば、Wi-Fi環境の構築から始めるなど、物理的なインフラ整備も含めた包括的なサポートを提供しています。システムを作って終わりではなく、その後の運用サポートまで一貫して行い、さらなる改善点を見出していくという循環を作り出すことを目指しています。

福岡:私の方はスタートアップ支援事業を担当しています。2016年にコワーキングスペースCompass小倉の運営からスタートし、2018年からは本格的にスタートアップ支援を開始しました。特にプレシードステージのスタートアップに注力しており、年間100回以上のイベントを開催して、起業を目指す方々への情報提供や交流の場を提供しています。

今年3月からは「Go All OUT」というオウンドメディアも立ち上げ、スタートアップの内部の思いや、普段は聞けないような情報を発信しています。また、スタートアップと既存企業との橋渡し役も担っています。スタートアップがイグジットを目指す上でも、サービスを展開していく上でも、既存企業との関係構築は非常に重要ですから。

2. それぞれの役割について

「役員として、お二人の具体的な役割や日々の業務で重視している点について教えてください。」

中森:私の役割は大きく分けて、大型案件における顧客とのリレーション管理と事業部のマネジメントです。特に重視しているのは、技術的な方向性の決定です。例えば、生成AIの分野では、今後はLLMの調整や複数のAIエンジンの統合など、より高度な技術が必要になってくると予測しています。そういった3年後にメジャーになりそうな技術を見極めて、早めに取り入れていくことを心がけています。

また、エンジニアとのコミュニケーションでは言葉遣いにも気を配っています。「バグ」ではなく「不具合」、「残業」ではなく「追加の稼働」というように、ポジティブな表現を心がけています。エンジニアも人間ですから、気分よく仕事ができる環境を作ることが重要だと考えています。

福岡:私はスタートアップ支援事業全体の統括をしています。人・物・金のマネジメントはもちろん、実際のプロジェクトにも直接関わっています。特に意識しているのは、「厳しく楽しく」をモットーにしたコミュニケーションです。スタートアップ支援では、スピード感が非常に重要になってきますから、レスポンスの速さには特に気を配っています。



左:中森 右:福岡

また、自社サービスの立ち上げも担当しており、既存企業との関係構築にも力を入れています。スタートアップと既存企業、双方にとってWin-Winとなる関係性を作り出すことを目指しています。

3. 役割の連携やコミュニケーションについて

「お二人の立場で、部門間の連携や意思決定を円滑にするためにどのような方法や工夫をされていますか?」

福岡:スタートアップ支援事業部では、コワーキングスペースの運営を通じて様々な情報や人脈が集まってきます。例えば、DXプロジェクトで社内リソースだけでは対応できない部分がある場合、私たちが持つスタートアップのネットワークを活用することで、独自のチームビルディングが可能になります。これは50名以下の規模の企業ではなかなか実現できない強みだと考えています。

中森:北九州市は従来、大手製造業が中心で、Java や C# といった従来型の技術に特化したエンジニアが多い地域です。一方、私たちが扱うのはPHP、JavaScript、Rubyといった比較的新しい技術領域です。そういった技術者は、スタートアップ領域に集まる傾向があり、Compass小倉を通じてそういった技術者コミュニティとつながれることは、大きなシナジーになっています。

意思決定の面では、週1回の事業幹部と取締役による会議が重要な役割を果たしています。この場で各部門の状況を共有し、例えばDX事業部で必要なリソースをスタートアップ支援事業部のネットワークで補完するといった連携が生まれています。

また、社員同士の繋がりという点では、会社にバーカウンターがあることも特徴的です。業務後に自然と社員が集まり、部署を超えた交流の場となっています。プロジェクトで普段は別々に働いていても、会社に戻ってきた時には皆で出迎えて雑談するなど、フラットなコミュニケーションが実現できています。これには「お節介焼き」な社員が多いという社風も影響していると考えています。

4. 社員教育で大切にしていること

「社員教育において特に重視しているポイントや、意識していることがあれば教えてください。」

中森:技術者の育成において最も重視しているのは、「考える力」の養成です。単にプログラミングスキルを向上させるだけでなく、なぜその技術を使うのか、どういった価値を生み出せるのかを常に考えられる人材を育てたいと考えています。そのために、新しい技術に触れる機会を積極的に提供し、失敗を恐れずにチャレンジできる環境づくりを心がけています。

福岡:私は「自走できる人材」の育成を重視しています。指示待ちではなく、自ら課題を見つけ、解決策を考え、実行できる人材が必要です。そのために、若手にも積極的に責任のある仕事を任せ、時には失敗することも許容しています。また、スタートアップとの交流の機会を設けることで、起業家精神や創造性を養うことも意識しています。

5. 印象に残る困難を乗り越えた経験

「お二人のキャリアの中で最も挑戦的だった経験と、それをどのように乗り越えたかを教えてください。」

中森:最も印象に残っているのは、コロナ禍での給付金システム開発です。通常であれば2~3ヶ月かかる規模の開発を2週間という短期間で完了させなければならない状況でした。その時は、昼間は現場の状況把握、夜は開発作業という形で、チーム全員が寝る時間を削って取り組みました。

特に難しかったのは、別居世帯への給付や二重申請の防止など、システムだけでは解決できない複雑な課題への対応でした。しかし、「やるしかない」という覚悟と、市民のために絶対に必要なシステムを作るという強い使命感で、チーム全体が一丸となって乗り越えることができました。

福岡:私の場合は、会社の事業買収における文化の統合が大きな挑戦でした。最初は人のマネジメントで苦労しましたが、むしろそれを「諦める」ことでブレイクスルーが訪れました。ロジカルに文化を融合させようとするのではなく、一緒に時間を過ごし、同じ目的に向かって進むことで、自然と一つになっていったんです。

例えば、買収直後に全社員で温泉旅行に行きました。そういった場を共有することで、お互いの理解が深まり、自然と文化の融合が進んでいきました。人の感情は強制的に動かすことはできませんが、同じ時間を過ごし、同じ目的を持つことで、自然と一つになれるということを学びました。

6. 今後のビジョンと注力したい取り組み

「今後のビジョンや、成し遂げたい目標についてお聞かせください。そのために特に注力している取り組みや戦略があればお話いただけますか?」

中森:私が目指しているのは、社員が心から誇れる会社作りです。そのために特に重視しているのが、妥協のない開発姿勢です。お客様が求めている100点のソリューションを必ず提供する。その姿勢を貫くことで、エンジニアたちも自分の仕事に誇りを持てるようになると考えています。

また、技術面では常に最新のトレンドをキャッチアップし、社員が成長できる環境を整えていきたいと考えています。今後は特に生成AI関連の技術に注力し、より高度なソリューションを提供できる体制を整えていきたいですね。

福岡:私たちの企業理念である「人々の営みをデザインする」という観点から、特にプロジェクトマネジメント人材の育成に注力していきたいと考えています。自ら考え、行動を起こせる人材、いわば「ムードメーカー」となれる人材を育てることで、社会により良い変化をもたらしていきたい。

具体的には、スタートアップ支援を通じて、新しい価値を生み出せる人材を育成していくとともに、スタートアップと既存企業との連携もより強化していきたいと考えています。会社の歴史が長かったり、組織が大きくなると創造性やスピード感が弱まる傾向があります。そこにスタートアップならではのカルチャーを融合することは改めて重要だと感じています。既存企業とスタートアップの交わりにより新たなチャレンジに対してポジティブな雰囲気を作ることで、日本全体のビジネス環境をよりよいものにしていきたいですね。

本社地下のバーにて

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この記事を書いた人

寶結株式会社広報部

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